寿司屋危うし

 東京の都心部で働くわれわれにとって屋台、というか、車で売りにくる移動販売の弁当屋は、時に昼メシ問題の救世主だったりする。安くて、うまくて、早くて、どこで食べるのも自由で、特に天気の良い初夏や秋口に公園などで食べるのは人生における小さな幸せである。

 ところがである。5月21日付朝日新聞夕刊によると、都議会のセンセイがたが、よりによってこの弁当屋の規制強化へと動いている。「食中毒の報告はないが、衛生面を考えると好ましくない」そうである。政治家の先生方というのは「みんなのためになることは頼まれたってやらないけど、人民へのいやがらせなら率先して実行する」という確固たる信念をお待ちなのだろうか。

 レバ刺しを禁止し、屋台を追っ払い、次はいっそのこと刺し身の禁止にまで踏み込んでみますか?「衛生面を考えると好ましくない」のは間違いないもん。でもオバマ大統領がまた来日して、「この前シンゾーと行ったすきやばし次郎にまた行きたい」って言われたらどうするのかね。断言するけどヤツらは絶対にあわてて法律を元にもどすと思うよ。石原閣下や猪瀬や舛添に票を投じる都民のレベルにふさわしい議員たちだと言われればそのとおりなんだけどね。