キングの「ミスター・メルセデス」

うーん、やはりもうひとつ。 ぼくはスティーブン・キング信者とまではいかないけど、代表作といわれるものはだいたい読んできた。なかでも「シャイニング」「ザ・スタンド」「IT」あたりはおもろくて、一刻も早くつづきが知りたくて、寝食を忘れて読み耽った…

ブリューゲルのバベルの塔

思いのほか小ぢんまりした絵だ。モノキュラーがなければ細部はおよそ判然としない(持っていって大正解)。この塔、とうてい完成はしないだろうと納得させる凶々しさを放っていた。 東京都美術館で「バベルの塔」展が開催されている。ウィーンの美術史美術館…

再開の辞

「再開する」というほどブログやっていたことはないけど(ほとんどまったくやってない)、再開にはちがいない。書かずにはいられないから書く。その季節が50歳にしておれにもやってきたらしい。本名で書くからにはそれなりの覚悟が必要だし、責任も生じる。…

グローバル化時代に求められる習いごと

息子の通っている保育園の友だちはたいてい何か習いごとをしているようだ。いわゆる年中組なので、年齢でいえば4〜5歳になる。聞いている範囲では内容はさまざまで、水泳などの運動系、音楽などの芸術系、英語などのお勉強系や、あるいは小学校お受験準備…

マーロウ再び

小説の映像化を評価する場合、”原作とは違う”ということを理由に非難をする場合が多い。原作ファンにしてみればそう言いたくなる気持ちはわかるけど、映像作品はまずそれ自身として評価するべきだ。NHK版「ロング・グッドバイ」全5回が完結した。今回は独立…

寿司屋危うし

東京の都心部で働くわれわれにとって屋台、というか、車で売りにくる移動販売の弁当屋は、時に昼メシ問題の救世主だったりする。安くて、うまくて、早くて、どこで食べるのも自由で、特に天気の良い初夏や秋口に公園などで食べるのは人生における小さな幸せ…

フィリップ・マーロウを日本人が演じるなら

レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ=長いお別れ」を戦後間もない日本を舞台に翻案した5回シリーズが、NHKで放映されている。主人公のフィリップ・マーロウは浅野忠信。うちの奥さんは浅野君のマーロウがけっこう気に入っているようだが、どん…

本を読んで世界を変えよう

本を読んで世界を変える。こう断言するとたちまち反論が寄せられるだろう。 「本を読むだけで世界が変わるわけないじゃん」 「世界を変えるのは行動だ」 「なに寝ぼけたこと言ってんだか」 しかし読書によって世界は確かに変わるのだ。 文学、歴史、哲学、科…